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Wednesday, 23 October 2013

孤独の深遠なる無限の可能性の考察論(高崎商科大学叢書論文)

*本文中の図は、後日加筆しますので、今しばらくお待ちください。

問題定義

 

 孤独の実現には、①他人(自分以外)との関係を断つ。つまり、近親者(両親・兄弟姉妹・友人等)、結婚回避、②自分の日常の場所から離れる③時間の観念の忘却。つまり、②③は、イコール旅行為が考えられる。

 

人間は、孤独という言葉にある種の暗いイメージを持つ。多くの人々は、この言葉をあまり考えないようにしているのではないか?それを深く考えると、淋しさがこみ上げるからであろうか。また、ろくなことを考えないのであろう。つまり、引きこもりや最悪の場合は、人生回避の道(自殺)について考えが思い浮かぶのである。確かに、孤独の負の面を見れば、永い間、孤独の生活をしているとそのような人の中には精神的な病気・自殺に陥らせる要素を誘発することも確かに存在する。

 

つまり、人間社会では、他の人の助けのおかげで、生きて行けると信じ、一人になることを嫌うのである。ある人が孤独が好きといえば、周りの人は変な人と判断をしてしまう傾向がある。しかしながら、孤独の正の面を見れば、孤独の生活を通じて、生活が充足している人々もいるであり、また孤独を通じて偉大な偉業を成し遂げた人もいるのである。それを真っ向から向き合うならば、底知れない素晴らしいパワーを獲得することできるのである。その利点を生かして多くの偉大な人間は、孤独の中ですばらしい作品を作り上げて来たのである。

 

そして、「孤独」の無限なる可能性に注目して、これからそれの解明を試みることは人間社会にとって意義があると信じるのである。人間は、孤独の中で脳が特別な潜在能力を引き出し、良い作品、言い換えれば、芸術の創造を作り上げるであろうという仮説の上で論述する。別に「芸術の創造」だけではなく、宗教の世界でも、「孤独の重要性」が強調されているのである。宗教では、一般的に孤独の中で神や天使との出会いがあり、啓示があり、悟りがあるといわれている。人類の偉人としてキリスト教の開祖イエス・キリスト、仏教の開祖ブッタ、イスラム教の開祖マホメットなどは、孤独の中で静寂の世界で神秘的な自然との体験を通じて神の啓示を受けたと推測される。その上、科学の分野でも孤独の中で偉大な発見をしているのが数多く見受けられるのである。

 

但し、全ての人が孤独を利用すれば、偉人になるとは限らないのである。しかしながら、孤独の有用性は、かならずしも否定できないのである。その起因と可能性を検証する。

 

孤独が人間社会にとってなくてはならない存在であり、それがなくては「社会の文化の発展」はありえないのではないか?以上の仮説を検証する。

 

先行研究

 

 まず、孤独について、アブラハム・マズローの自己実現論の中から考察する。

 

マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。また、これは、「マズローの欲求段階説」(1)とも称される。
 (図―1)

 

                             

1)生理的欲求(Physiological needs

 

生命維持のための食事・睡眠・排泄等の本能的・根源的な欲求

 

2)安全の欲求(Safety needs

 

予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求

 

3)所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging

 

生理的欲求と安全欲求が十分に満たされると、この欲求が現れる。

 

情緒的な人間関係・他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚

 

かつて飢餓状態であった時には愛など不必要で非現実的だと軽蔑していたことを忘れ、今や孤独・追放・拒否・無縁状態であることの痛恨をひどく感じるようになる。

 

不適応や重度の病理、孤独感や社会的不安、鬱状態になる原因の最たるものである。

 

4)承認(尊重)の欲求(Esteem

 

自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求 

 

5)自己実現の欲求(Self-actualization

 

以上4つの欲求がすべて満たされたとしても、人は自分に適していることをしていない限り、すぐに新しい不満が生じて落ち着かなくなってくる。

 

自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求。

 

これら5つの欲求全てを満たした「自己実現者」には、15の特徴が見られるのであるが、その中で特に注目する項目があるので、取り上げる。

 

1. 文化と環境からの独立、能動的人間、自律性

 

2. 至高なものに触れる神秘的体験がある

 

3. 創造性

 

4. 文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

 

マズローは、5段階の欲求階層の上に、更にもう一つの段階「自己超越(self-transcendence)の段階があると指摘する。その中で注目すべき項目を列挙する。
     1.統合された意識を持つ
     2.落ち着いて、瞑想的な認知をする
     3.深い洞察を得た経験が、今までにある
     4.創造的である
 以上彼の理論では、孤独の観点から取り上げると(3)所属と愛の欲求(5)自己実現の欲求である。(3)については、メンタル的社会との不適合とそれに伴う孤独感を指摘(5)については、全ての欲求が満たされてもまた次の欲求が生まれ、自己具現化の欲求が生まれるという。この段階で人間に特別な領域に近づくのである。つまり、①宗教面②芸術面③科学面での「Glimpse」または「intuition」が起こるのである。
 ①宗教面での実例
キリスト教のイエスは「四十日のあいだ」荒野において、神の啓示を得た。イスラム教のムハンマドは、メッカ郊外のヒラー山の洞窟に幾度も籠り、瞑想にふけるようになり神の啓示を受けた。仏教の釈迦は、インド東部のビハール州にあるブッダガヤで悟りを開いたのである。
  ②芸術面での実例と各偉人の孤独の名言を紹介する。
 音楽家のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
 「言ってみれば、完全に本来の私で、全くの独りで、活力に満ちていられるのは、例えば、馬車で旅行しているときや、十分な食事の後の散歩や、眠れない夜の時間です。そういうときにこそ最もアイデアが自由にあふれ出てくるのです。」
小説家のフランツ・カフカ
 
「あなたは部屋を出る必要はありません。テーブルの前に座り耳をすませてください。いや耳をすませる必要さえありません。ただじっと待つのです。努めて平静になり、動かず、孤独でいるのです。世界はおしげもなくあなたに本当の姿を見せてくれるでしょう。世界は恍惚のうちにあなたの足元に転がり込むのです。」
ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
 「ある者は社会の中で道を示されます。またある者は孤独の中にあってのみ奮い立つのです。」
パブロ・ピカソ
 
孤独でなくして、意義ある仕事は不可能です。」
パウル・トーマス・マン
 
孤独にいることは、独創性や、いまだ出会ったことのない冒険的な美意識、そして詩を生み出してくれます
③科学面での実例
ニコラ・テスラ
  「誰にも邪魔されない不断の孤独の中でこそ精神は鋭敏に研ぎ澄まされます。想像力を損なわせようと襲い掛かる外部の影響力から自由な隔離された場所でこそ創造性は栄えるのです。独りになりなさい。それが発明の秘訣です。独りでいなさい。そこからアイデアは生まれます。」
ヨハン・アルベルト・アインシュタイン
 
「私は定まった仕事のスケジュールを立てていますが、その一方で、時間をとって海辺を散歩しています。そうすることで、自分の頭の中で何が起こっているのかに耳を傾けることができます。仕事が上手くいっていないときは、仕事の最中でも横になって天井をじっと見つめて、自分の想像力の中で何が起こってるかを感じ心に描くようにしています。」「孤独こそがクリエイティブな人の習慣、偉人名言集」(2)
 

 但し、ここで特に注目するのは、偉人は、とかく孤独の負の要素が強いようである。
 次の(図―2)は、天才の対人関係の分析図である。

 

(図―2)(3) 

 

「天才の対人関係」より

 

(図―2)からいくつかの共通点が確認される。①6名中5名が父母の両方又は片方が早い時期に死亡している②結婚については、6名中2名が独身、4名が近親者又は親しい友人・知人からの紹介によるもの③友人は、6名中2名が極めて少なく、友人がいても幼い時代からの友人関係だけが継続。つまり、両親の愛情が長く続いてない環境に育ったこと、また友人が少なく、結婚相手については、自分の気持ちから積極的に選択したのではなく、まわりから紹介され仕方がなく結婚に踏み切ったように分析される。結婚について、また、このデータ以外に、世界的な思想家ないし哲学者であるライプニッツ・スピノザ・カント・ウィトゲンシュタイン・ニーチェ等は、すべて結婚せず、長い人生を孤独のうちに過ごしたのである。

 

次にマズローの(5)項目に関連してアンソニー・スト―の考察を紹介する。彼は次の事例を引用している。(4)

 

「1934年の冬、南極大陸の前線気象観測地の要員として、たったひとりで南極に滞在することになったバード提督の日記には、:午後4時、氷点下89度(華氏)、いつものように散歩に出た。私は静寂に耳を澄まして立ち止った。昼は死に夜が生まれつつある。しかし、まことに静かである。ここには測り知れない宇宙の営みと力が、調和と静寂を保って存在している。調和、まさにそれだ!それは静寂から生まれてくるものだ。やさしいリズム、完全な和音の旋律、おそらくは天体の音楽。そのリズムを捕えれば、一瞬でも自分がその一部分になれば、それで充分であった。その瞬間、私は人間と宇宙の一体性に何の疑いも感じなった。その時確信したことは、そのリズムがあまりに秩序正しく、あまりに調和的で、まったくの幸福の産物とは思われないほど完全であるということ、それゆえにこの全体の中に目的があるに違いないということ、人間が偶然の派生物ではなく、その全体の中の一部であるということ、であった。それは、理性を超越する感情であった。それは人間の絶望の核心にまで至り、それが根拠のない絶望であることを突き止める感情であった。宇宙は秩序の世界であり、混とんの世界ではない。人間は、昼と夜がそうであるように、まさしくその秩序の世界の一部である。「個人と絶対なる者との間にあるすべての障害物を克服するこの体験は(私の個人的な補足:宇宙との一体感の神秘的体験を指すのであろうか?)、非常に神秘的で偉業である。神秘的な状態において、私たちは、絶対なるものと一つになり、そして一体になったことを自覚する」と述べている。また同書ではフロイトとロマン・ロランの往復書簡で、「宗教的な感情は、永続性の感知であり、限界もなく、境界もないもの、いわば(大洋のような)ものを感知することである」と述べている。

 

「安心感と自然・人間との一体感との関連」で指摘しておきたいことは、宇宙である母の胎内の子宮で安心感を感じるのではないかと考えないわけにはゆかないのである。また、人類に偉大な足跡を残した人々は、似たような体験[自分と宇宙との一体感=大洋感情]をしているのである。

 

もともと地球の動植物界は、宇宙のリズム、つまり母の体内の心臓の鼓動に従って営まれている。

 

但し、孤独から生まれてくる宇宙との一体感(安堵感)は、ある意味で自滅の道との表裏一体であることを忘れてはならないのである。

 

 

 

孤独の負の面の考察として年齢と孤独との関連性

 

<若者と孤独>
(図―3)

 

自殺する若者達と1990年代              

 

若者(30歳未満)の自殺者の推移:2010年版警察庁自殺(5)

 

グラフから次のように分析

 

 1990年,失われた10年への突入

 

 1996年,文部省「いじめの問題に関する総合的な取組について」~今こそ、子どもたちのために我々一人一人が行動するとき~ いじめの増加

 

 地域住民の連帯希薄化

 

 地域の教育力低下

 

 異質の排除

 

若者がひきこもる意味と新たな学び方・働き方の保障(6)

 

特に、地域住民との連帯感の希薄化は、負の孤独感へつながり、また異質の排除は自分世界へ向かう内向性を示し考え方によって自殺へと駆り立てられるのである。注目するのは、スマートフォンで友人・知人とのみコミュニケーションをして、地域住民と面と向かって会話をする機会が希薄である。

 

<高齢者と孤独>

 

(1) 身体的負担

 

・高齢者の自殺の「原因・動機」の7割は「健康問題」(全年齢では4割)

 

・高齢自殺者の90%以上がなんらかの身体的不調を訴え、約85%が入通院による治療を受けていた

 

・高齢者の多くは自分の健康状態について悪い評価を下しがちで、病気を大きなストレスに感じ「楽になりたい」、「元の体に戻らないなら死んだ方がましだ」といった言動が目立つ・高血圧症、糖尿病、脳梗塞後遺症、心臓病、関節痛などの慢性的疾患をかかえることが多い

 

・継続的な身体的苦痛がうつ病の引き金となり自殺につながると考えられる

 

(2) 家族への精神的負担

 

・高齢自殺者の多くが生前家族に「長く生きすぎた」、「迷惑をかけたくない」ともらしていた・心身両面の衰えを自覚し、同居する家族に看護や介護の負担をかけることへの遠慮が生じる

 

(3) 喪失感と孤立

 

・高齢者の自殺の「原因・動機」の1割は、配偶者、子、兄弟など近親者の病気や死(喪失体験)

 

・強い喪失感から閉じこもりがちとなり、孤独・孤立状態からうつに至ると考えられる

 

(国立精神・神経センター精神保健研究所提供資料)(7)

 

特に(3)喪失感と孤立については、高齢者に対して人生の先輩としてみなすことができなく、尊敬の念がないのである。この傾向は、経済的先進国の国々で顕著に見受けられるのである。反対に後進国の国々では、高齢者に対して尊敬の念が強いのである。経済的後進国(タイ・ミヤンマー・フィリピン等)には宗教的に高齢者を人生の大先輩として尊敬する教えがある。また、高齢になると若いころとは違って孤独になり易くなるのである。例えば、配偶茶・身内親戚・友人らとの死別や別離が若いころとは違って多くなり、一人になる必然性がある。そのような孤独生活の中で、負の作用では精神的な病に陥り、最悪の場合「自殺」がある。

 

孤独と旅との関連性
 本来の旅の源泉は、洋の東西を問わず宗教的な性格であり、(8)響庭孝男矢氏曰く、「人間は、俗の中で暮らし、俗界こそ人間の戦いの場であり、また夢見る臥所(ふしど)であり、救いの道はないかと思い巡らすものである。そして古代の人間が、俗界と対立する「聖なる空間」を設定したのでした。俗の中に生きる人間は聖なる場所を必要とし、そこへ「行」ことによって身に染み付いている俗臭を払いのけ、禊(みそぎ)をし、「自己浄化」をしてきたのである。」として的確に指摘しています。現代的に解釈すると、毎日の平凡な生活から離れ、場所を変えることによる「気分転換」の場として、つまり「みそぎ」として旅行地に憧れ、多くの人が旅に出かけるのである。

 

現在「旅行」という形態で、多くの旅行客が国内のみならず海外へも手軽に行く時代である。また、反対に海外からの旅行客も多く日本へ訪れている。 

(図―4)(9)
 
 
 つまり、(図―4)の通り「旅行」が盛況であるが、2020年の東京オリンピック開催時には、数多くの観光客が海外から来ると思われる。その動向により、日本の経済波及効果が大いに期待されるのである。このような大きな国を挙げての行事があるので、一層本来の意味で「旅行」つまり「旅(タビ」の原点を考察することは意義があると思われる。
  但し、旅には常に「孤独」が同居している。旅には、一時的にせよ全ての今までの自分と関わり(地位・身分・)のすべてを置いてくることであり、何も身につけていない真っ白な状態のことである。つまり、自分の名刺の肩書きの喪失と同じ心境になる。その不安感から精神的な不安定さが生じ、孤独感が生まれるのである。では、そのような特色を持つ旅に何故に多くの人々があこがれるのであろうか?旅の孤独を通じて、何かを期待するのであろうか?例えば、未知の人との出会いであり、未知の環境からの何かを期待するために出発するのであろうか。別の表現として旅の孤独感は、孤独であればある程新たな未知なるものへの感受性が一層研ぎ澄まされるのである。
  ところで、旅=(時間・空間の移動)の視点からすると宗教上新たな発見のために世界の開祖は、自然界の啓示を求める目的で旅に出たのである。彼ら偉人は、その旅では忘れてはならないことは、孤独の中で「啓示」、「悟り」の境地に至ったのである。
  一般的に孤独の中で神や天使との出会いがあり、啓示があり、悟りがあるといわれている。例えば、世界の3大宗教の一つであるキリスト教の聖書の中での「荒野の試み」【マルコ福音書第一章123節】では、イエスは「四十日のあいだ」荒野におられた。「四十」は苦難と試練の時を指す象徴的数字である。大洪水は四十日四十夜続いた。イスラエルは四十年荒野にさまよった。モーセは四十日四十夜シナイ山で断食した。イスラエルは四十年のあいだペリシテ人に渡されていた。エリヤは四十日四十夜荒野を渡ってホレブ山についた。イエスにとって神の啓示に与る場としての荒野は、同時にサタンに試みられ、サタンと苦闘する試練の場でもあった。(10)
 
 
イスラム教では、ムハンマドは、メッカ郊外のヒラー山の洞窟に幾度も籠り、瞑想にふるようになりました。西暦610年頃、四十歳の時に、ヒラー山の洞窟に横たわってうとうしていると、突然、天使ガブリエルが現れて、ムハンマドに話しかけました。ムハンマドはその意味がわからず、自分が詩人か、もの憑きなったのではないかと悩み、自殺をしようと考えましたが、その時、空中に天使ガブリエルが現れて、「ムハンマドよ、あなたは神の使徒である。」と言いました。(11)
 
 仏教では、釈迦はブッダガヤで悟った後、さらに49日間禅を組んだまま悟りの法悦の余韻にひたり、人生はここに極まったとして何も食べず死を選ぼうとした。するとインド神話の創造神・梵天(ぼんてん)が目の前に現れ、彼に「悟りの内容を人に伝え広めなさい」と3回告げたという。(12)
 

 結論
  孤独の負の面の裏面は正であるので、それをいかにして表に引き出すかが問題である。孤独の負の作用が生まれるのは、人間は本来負の要素の比重が正のそれより多いのではないかと仮設する。忘れてはならないことは、孤独の状態になるということは、人間は集団の中で生活をしている環境に慣れているので一人でいることに慣れていなく安定な精神状態になることは難しいのである。その不安定な状態からいかに脱出して安定な状態にするかが問題である。それができるかどうかは、何か専門的な自分に興味があることと精神的に結びつける事によって孤独の正の作用が覚醒するのである。その結果、安定するのである。この段階でクリエイティブな新分野の発想が生まれるのである。
  それぞれの分野の専門性を持つこと、また何かの閃きでその分野で立派な偉業を成し遂げるのである。それは、それぞれの専門知識をその人物が所有しながら、専門外のことをする(ゲームを楽しむ・散歩をする・風呂に入る)によって偉大な業績を成し遂げられるのである。例えば、IT産業の最大手のグーグル社では、何か企画開発する場合、会社の方針として、スタッフは、パソコンのまでに座る時間が少なく、気分転換のためにビリヤードをしたり、近くの海岸でリラックスしながら散歩をして何時間も過ごすことが許されているのである。このような気分転換が、精神を安定させ、新たな新しい発想が浮かぶのである。また、よく言われるように音楽の作曲家は、新しい曲想がピアノの前ではなく気分転換のために、お風呂に入った時とか友人との会話を楽しんでいる時に心に浮かぶといわれている。
  脳が一つのことに集中していると新しい考え方が生まれなく、別の脳の部分を使うことによって相乗効果として新しい発想が開発されると言っても過言ではないのである。
  その仮説に関連して、医学的な観点から右脳と左脳の役割の違いについて概観する。 

(図―5)(13)

 私たちの脳は右半球と左半球に分かれ、その真ん中に脳梁(のうりょう)という神経線維がある。右脳と左脳では働きが違い、脳梁は両者の連絡橋の役割を担っている。
  右半身の運動は左脳、左半身の運動は右脳が命令を下す。これは、大脳と体の各部分をつなぐ神経が延髄のところで交差している。
 
 右脳と左脳の役割の違いは次のとおりである。
左脳
  左脳は、言語の認識と言語的推理、計算と数理的推理、論理的思考などを受け持っている。
  読む、書く、話す、計算するなどの行為は左脳の役割になるわけである。
  そのため、左脳は言語脳、論理脳、デジタル脳などと呼ばれることがある。
 
 人間の知性の源となるものが、この左脳に集まっていると考えてもよい。
右脳
  右脳は、図形や映像の認識、空間認識、イメージの記憶、直感・ひらめき、全体的な情報処理などを受け持っている。
  絵を描いたり、楽器を演奏したりするのは右脳の働き。
  右脳は、イメージ脳、感覚脳、アナログ脳などと呼ばれることがある。
  デザインや音楽などの芸術的な活動や、アイデア・ひらめきなどを必要とする企画の仕事、学問的な研究や技術の開発などでは、右脳の働きが重要になる。
 
右脳・左脳はバランスが大切。相互の関連づけで相乗効果がある。
  学校の勉強(主要教科)は主に左脳を使う。そのため、右脳を鍛える機会がかなり少なくなっている。
  大切なのは両者の脳力のバランスである。右脳と左脳のそれぞれを意識的に鍛えることで、相互の関連づけを図ることができれば、左脳との相乗効果が期待できる。
  
 <脳のニューロンの重要性について>(14)
 私たちの脳が何かを記憶するときには、同じニューロンをいくつもの記憶に対して使い回している。こうすれば限られた数のニューロンを効率的に使えるからである。
  この仕組みは、人間の脳のすばらしい能力を作り出す原動力にもなっている。1つのニューロンを使って違う情報をいくつも扱うということは、「連想」という人間にしかできない脳の機能を生み出すことができるからである。 ニューロンのネットワーク上で、「まったく違った情報」をいろいろ組み合わせたり、離したりすることで、空想したり、ひらめいたり、創造したりすることができるのである。
 
 つまり、気分転換は、ニューロンの作用によってメンタルな正の効果が開発されるのが、立証されるのである。
 (日常の効果的な事例)
  ・勉強は体をまったく使わないので、その正反対のスポーツが気分転換には理想的。
   特に仲間や相手のいるスポーツ=野球、サッカー、バスケ、バレー、テニス、卓球な
   どが適している。
 ・同じ意味で友人とサイクリングする。体を使うだけでなく、新しい風景を見ること。
 ・友人や家族とカラオケで思いっきり発散する。
 *絵やイラストを描く、楽器の練習をする、手芸や工作をする。
 *囲碁や将棋、オセロなどの好きな人はライバルとの対局をする。
 ・女の子は仲間とおしゃべりする。
 *好きなジャンルの小説を読む。
 *泣いたり笑ったりする。
 *映画を見る。
 *ショッピング。
 ・数ヶ月に一度くらいコンサートに行ったり、旅行を楽しんだりする。
 (*=孤独との関連例がある事例として、著者が加筆)
 脳をリフレッシュする気分転換法 - 記憶術と勉強法(15) 

「脳の仕組みを孤独との関係」で最大に開発して成功に結び付いた多くの偉人が名言を残している。
 次の偉人の名言から孤独の効用とひらめきとの関連性について含蓄のある言葉を紹介。
 天才的数学者であるガウスは、何年も悩んでいた課題が解決した時のことを述べている。

 

「二日前、私はついに成功した。私が苦労したのではなく、女神カリスたちのおかげだ。突然輝いた雷光のように、謎が解けた。」(16)
  最後に、孤独の正の作用についてアンソニー・ストー曰く:創造的な人間においては、三つの段階がある。第一段階は技術を磨く段階であり、先生に対する恩を感じて仕事をする。第二段階は自分の芸術を確立する段階であり、自分自身を表現する外部への作用、個性的な手法に至る。第三段階は、自分の内面に向かうとのことである。(17)

 

以上から孤独は、創造的なひらめきを脳に与えるのである。


 

 ()
(1)「マズローの欲求段階説
    wipedia.org/wiki/自己実現理論(2013,10,15)
 (2)孤独こそがクリエイティブな人の習慣、偉人名言集

 

www.tommyjp.com/lifehack/no-1-habit-of-highly-creative-people
(2013,10,10)
①音楽家のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
オーストリアの作曲家、演奏家。古典派音楽の代表であり、ハイドン、ベートーヴェンと並んでウィーン古典派三大巨匠の一人。
②小説家のフランツ・カフカ
出生地に即せば現在のチェコ出身のドイツ語作家。代表作に「変身」「城」「審判」「アメリカ」「火夫」等がある。
③ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
ドイツの詩人、劇作家、小説家、哲学者、自然科学者、政治家、法律家。ドイツを代表する文豪であり、小説『若きウェルテルの悩み』『ヴィルヘルム・マイスターの修行時代』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩劇『ファウスト』など広い分野で重要な作品を残した。
④パブロ・ピカソ
スペインのマラガに生まれ、フランスで制作活動をした画家、素描家、彫刻家。ジョルジュ・ブラック同様、キュビスムの創始者のひとり。
⑤パウル・トーマス・マン
ドイツの小説家。1901年に自身の一族の歴史をモデルとした長編『ブッデンブローク家の人々』で名声を得る。その後市民生活と芸術との相克をテーマにした『トーニオ・クレーガー』『ヴェニスに死す』などの芸術家小説や教養小説の傑作『魔の山』を発表し、1929年にノーベル文学賞を受賞した。
⑥ニコラ・テスラ
19世紀中期から20世紀中期の電気技師、発明家。交流電流、ラジオやラジコン(無線トランスミッター)、蛍光灯、空中放電実験で有名なテスラコイルなどの多数の発明、また無線送電システム(世界システム)を提唱したことでも知られる。
⑦ヨハン・アルベルト・アインシュタイン
ドイツ生まれのユダヤ人理論物理学者。

 

(3)「天才の対人関係」
http://www.sipec-square.net/~mt-home/alumni/ando/human%20relation.html
(2013,10,5)

 

(4)アンソニー・スト―(三上晋之介訳)「孤独」創元社、66~67p.

 

(5)若者(30歳未満)の自殺者の推移:2010年版警察庁自殺
(6)若者がひきこもる意味と新たな学び方・働き方の保障

 

立命館大学産業社会学部山本耕平

 

http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/05/s4-1.pdf(2013,9,2)
(7)国立精神・神経センター精神保健研究所提供資料

 

www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/sougou/taisaku/kentokai_4/pdf/(2013,810)

 

(8)響庭孝男「ヨーロッパとは何か(文化の重層的空間)」小沢書店、1991年初版

 

(9)観光庁統計「訪日外国人旅行者数及び日本人海外旅行者数の推移」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html(2013,8,10

 

(10)マルコ福音書講解 4 荒野の試み マルコ福音書第一章123

 

http://ha3.seikyou.ne.jp/home/tenryo/mark_004.htm  (2013,9,12)

 

(11)【イスラム教の起こりと開祖】

 

www.d1.dion.ne.jp/~tenyou/index.files/tenyou-ki.files/okori  (2013,9,12)
(12) あの人の人生を知ろう ~ 釈迦編 】
  http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/haka-topic24.html (2013,9,12)
(13)右脳と左脳(脳の仕組み2)http://goodbrains.net/brain/shikumi2.html(2013,9,10)
(14)(3)脳とコンピュータとの違い - 日本学術会議_おもしろ情報館 http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku2/kioku2_3.html(2013,10,10)
 (15)脳をリフレッシュする気分転換法 - 記憶術と勉強法http://jukenkioku.net/benkyo/refresh.html(2013,9,7)
(16)アンソニー・スト―(今井幹晴訳)「天才はいかにしてうつをてなずけたか」求龍堂、362p.
 (17)アンソニー・スト―(今井幹晴訳)「天才はいかにしてうつをてなずけたか」求龍堂,211~212p.

<参考文献>

アンソニー・スト―(三上晋之介訳)「孤独」創元社
アンソニー・スト―(今井幹晴訳)「天才はいかにしてうつをてなずけたか」求龍堂
響庭孝男「ヨーロッパとは何か(文化の重層的空間)」小沢書店

 <引用・参考Webサイト>

 

マズローの欲求段階説

 

ipedia.org/wiki/自己実現理論

 

孤独こそがクリエイティブな人の習慣、偉人名言集

 

www.tommyjp.com/lifehack/no-1-habit-of-highly-creative-people

 

「天才の対人関係」

 

http://www.sipec-square.net/~mt-home/alumni/ando/human%20relation.html

 

若者(30歳未満)の自殺者の推移
2010年版警察庁自殺

 

若者がひきこもる意味と新たな学び方・働き方の保障

 

立命館大学産業社会学部山本耕平

 

http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/05/s4-1.pdf

 

国立精神・神経センター精神保健研究所提供資料

 

www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/sougou/taisaku/kentokai_4/pdf/

 

観光庁統計「訪日外国人旅行者数及び日本人海外旅行者数の推移」

 

http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html

 

マルコ福音書講解 4 荒野の試み マルコ福音書第一章123

 

http://ha3.seikyou.ne.jp/home/tenryo/mark_004.htm  

 

イスラム教の起こりと開祖

 

www.d1.dion.ne.jp/~tenyou/index.files/tenyou-ki.files/okori
あの人の人生を知ろう ~ 釈迦編
右脳と左脳(脳の仕組み2)http://goodbrains.net/brain/shikumi2.html
脳とコンピュータとの違い - 日本学術会議_おもしろ情報館 
   http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku2/kioku2_3.html
 脳をリフレッシュする気分転換法 - 記憶術と勉強法 
   http://jukenkioku.net/benkyo/refresh.html
 *本文中の全てのアンダーラインは、著者により加筆。

 

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